くんほり自転車日記

ロードバイクをメンテナンスからレースまで、ぼちぼちと楽しんでます

【メンテナンス】RD-9000のオーバーホール

みなさんは自転車のオーバーホールって普段どうしていますか?

ショップに依頼している人、自分でやっている人、友人にやってもらっている人…

オーバーホールをするとき、どこまでやっていますか?

 

僕は部品を取り外して洗浄、注油、組みつけとやっています。

が、それだけでは見きれていない内容があります。

 

それが部品のオーバーホール

その中で今回はRDをオーバーホールしてみました

(普段はバラすのはプーリーまで)

お店でのオーバーホールも段階分け(フルOHとセミOHとか)しているものはここまでは手つけないんじゃないかな・・・(知らないけど)

この作業、ググるといくらか出てくるのですが、9000系の記事は見つけられませんでした

が、9000系とて同じだろうって思ってたら大きな罠にかかりました・・・

 

機械式ディレーラーの仕組み

オーバーホールの前に機械式(紐引き)ディレーラーの仕組みをおさらいしましょう

ディレーラーはバネが戻る力によって動きます

それに反発してワイヤーを引っ張ったり(シフターが巻き取る)、引きを緩めることで変速します

つまりディレーラーの構成は殆どバネです

下図はRD-9000のスモールパーツ表です

(この番号単位で部品を扱ってて、マニアックな店だと在庫してたりします)

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B軸は①、プレートユニットの軸は⑧です

今回バラしたのはB軸とプレートユニットというものになります

 

なぜ今オーバーホールを?

バイクのオーバーホールは3月くらいに実施しました

だいたい1年弱に1回くらいやっていて、オーバーホールにはまだ早そうですね・・・

なぜ今RDだけ分解したかと言うと、B軸の戻りが悪いように思ったからです

 

B軸の分解

B軸の分解にはRD-9000の場合、表から攻めます

(初っ端から違うw)

その前に去年の野辺山CX試走で壊した105のRDで予行演習してたんですよ・・・

(戻せないとバイクが走行不能になるから出来るかどうか判断したくて)

105の場合はCリングが裏にあって、これ外すだけでした

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去年の野辺山CX試走で壊した105

・・・さてRD-9000に戻りましょう
B軸とカバーの間の針金みたいな輪を引っこ抜きます

 

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曲げちゃいそう

カバーリング、その下のワッシャーを外すとCリングが見えます

めんどくさい事にプライヤーがないと外せない奴です
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Cリングとワッシャーを外しました

表から見て105とかと何か違うなって思ってたらこんな構造だったんですね・・・

 

するとB軸は裏から抜けます(硬かったのでアーレンキー差して叩き出した)
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バネです

グリスが余り残ってない以外は問題なさそう
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部品を掃除します
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B軸の組み立て

分解、洗浄、グリスアップが済んだら逆順で組んでいくだけの簡単なお仕事

・・・と言いたいところですが、この構造非常に厄介

 

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まず、RDの裏面から赤枠の部品群を入れます

そして捩じりながら(45°くらい?)押し込みます
これが非常に硬くて利き手じゃないとキツい

で、表側からワッシャーを乗せてCリングをはめ込みます

裏から超力入れて押しているのに表から工具使ってリングはめろと言っているのです

これには発狂しました

軸を上手くねじ込む×ワッシャーを乗せる×Cリングをはめるという

裏なら全然いいのですが、押してるのと逆側なので 押しこむ手(右手)、本体を押さえる手(左手)、プライヤーでリングをはめる手(右手)が必要です、手が足りない

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捩じるのにアーレンキーが便利

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この隙間がなくなるまで押し込む

結局、右手でねじ込んで、左手で足に押しつけてどうにか右手を開けてはめました

(それまでの間にワッシャーが落ちたりCリングがプライヤーから飛んでったり・・・)

 

プレートユニットの分解

続いてプレートユニットを分解していきます

当初はB軸だけの予定でしたが、こちらも手で動かしてみると動きが渋く感じたのでやることにしました

ビッグプーリーなんかに交換する時も同様ですね

まずストッパーピンを外します

(分解図9番、写真忘れた←)

あと完車からプーリー分解してチェーン外したので、プーリーは分解済みです

次にディレイラーを裏返し、プレートを反時計回りに180°回します

そしてボルトを緩める

(結構奥まっているのでアーレンキーがちゃんと勘合したのを確認して回しましょう)
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外れました
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こちらも洗浄、グリスアップして閉じます

こちらは逆順で説明付くくらい楽だったので省略します

 

ところで・・・

ところで、今回のオーバーホールで一番苦労したB軸周りの構造、

9000系の前の代、RD-7900を見てみると・・・

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RD-7900の部品図

Cリングは裏ですね…

裏にCリングがあればバネを押し回したその方向から作業出来るので作業難易度はグンと下がります

しかもプライヤー要らずで、リングの太さが2段階なので仮止めが出来る

9000系と同じ世代のULTEGRA、105も同様(先代から変化無し)でDURA-ACEだけが3倍めんどくせー構造になってしまいました

 

続いて9000系の次の代(現行)のR9100系を見てみましょう

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RD-9100 部品図

あれ?B軸にバネないww

余談ですが、この代からのダイレクトマウントの時は①の部品外すみたいですね

 

つまり9000系DURA-ACEだけが二度とバラしたくなくなるようなめんどくせーB軸の構造してるわけですね

なんでや!

性能面で有利とか言ってくれないとキレそうなレベル

 

まとめ

RD-9000のオーバーホール如何だったでしょうか?

自転車の整備(に限らずだけど)ってやってみないと出来ることって増えないんですよね

やってみる→出来た(出来ることが増えた)→出来そうなことが見える

といった感じで新しいことにチャレンジしていくのもいいものです

誰もが原点は「パンク修理できるようになる」のような簡単な内容からと思います

勿論、自信がなければお店にお任せでもいいのですが 

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